2013年12月18日水曜日

「ヒンメリの下のおはなし会」終了しました

12/8Sun.に、「ヒンメリの下のおはなし会」が終了致しました。寒い中ご来場くださいました皆様、お気遣い頂きました皆様、そして美術館の皆様、ありがとうございました。




今回は初めて宮沢賢治の作品を、しかも有名な「よだかの星」を朗読しました。これまで何度となく候補にあがることがありつつも、いつも躊躇していたものでした。誰もが知っており、誰もが朗読しており、たくさんの人が朗読を聴いたことがある、私にとって大きくて得体のしれない怖い存在の読み物でした。けれどいざ決めてしまって練習を始めてみると、これほど朗読しやすい物語もないんじゃないかということに気づきました。

いつもはテキストをコピーしノートに貼って、息継ぎの場所やらふりがなやらを書き込み、舌の回りづらい文言を何度となく練習し・・・とするのですが、この「よだかの星」は書き込む必要がないくらい、息継ぎの場所も自然で選ばれた言葉もすっと口がまわって言いやすいのです。また、耳で聴いてわかりづらい言葉(同音異義語)もなく、難しい言葉も出てきません。もしかしたら賢治は、音ありきでこの物語を創ったのかもしれないと思うほど、朗読にあった物語でした。

午後の回ではお客様にいろんなご感想を聞いてみました。「このお話は、悲しい話なのだろうか、それとも(美しい星となって)ハッピーエンドなのだろうか」とお客様にも投げかけた問いに、私は準備中からずっと「どちらでもよい」と自分に答えてきました。どちらでもとれるように朗読するのがつとめなんじゃないかと思っていたからですが、イベントが終わった今、少し個人的な感想を書いてみようかと思います。

よだかはいろんな人に辛い言葉を投げかけられます。それがただただ悲しく、よだかの心に刺さります。そして言葉の怖さを知っているが故に、心を開いているはずの弟にも自分の気持ちを素直に伝えることができませんでした。よだかが星になったとき、星になって燃え続けているとき、言葉によって傷つけられた悲しい気持ちは燃え消えてはいないような気がします。星になって美しく瞬いていても、人からそう見えていようとも、その姿の芯のところに、悲しい気持ちもありつづけるように思いました。
「人はそれぞれの事情を抱えながら平然と生きている」とは伊集院静さんの言葉ですが、そんなことを考えさせられる物語だと思いました。


この日はおおくぼともこさんの手に寄る美しいヒンメリの下で朗読をさせて頂きました。午前の会場はヒンメリが、そして午後の会場にはヒンメリ以外にもnyaさんの宿り木が飾られ、海谷さん(このイベントを企画された美術館の方です)のつくられた柚子のポマンダーから香る香りも漂ってよい空間でした。よい空気の下だと声も出やすいものです。

今年も、会場でやさしく見守ってくださるイエス様に会えました。


2013年12月14日土曜日

「ovejar negro -黒い羊の生誕祭-」終了しました

12/6より蔵前のギャラリーカワウソで開催していました「ovejar negro -黒い羊の生誕祭-」が昨日12/12に終了致しました。最終日の夜に行われた朗読会へはたくさんの方に足を運んで頂き、今年最後の朗読を聴いて頂きました。ありがとうございました。


写真:le trotさんより頂きました。

朗読を始めて6年半が経ちました。始めの頃は「朗読=ただ本を読む」ということが本当に難しく、試行錯誤や反省ばかりしていました。今もそれほど朗読自体がうまくなったわけではないのですが、その場にただ一人で立つことに自信をもつようになりました。朗読家と書かれた名刺をつくったときには「名前負けしているのですが・・」と断って相手に渡していたのが、今は自分は朗読家なのだとつくづく思います。

今年は重かった荷物をたくさん降ろすことができた、意味深い一年でした。来年は3月に名古屋のHaseさんから、地方へも足を伸ばしたり、近くでも定期的な朗読会を開いたりしていきたいと思います。

先週のDIC川村記念美術館での朗読会については、前後しますがこの週末に記事をあげようと思います。美しいヒンメリが見られるのもあと2日。お急ぎください。